脩學館 教室
この教書は道徳的人格者完成の三学から成る書である。
第一は経学(人間学)・第二は史学(歴史学)・第三は子学(人物学)
人間は、年少期にこの三学を学び実践することで、道徳的人格の完成を可能にする。
脩身1巻 巻頭(かんとう)言(げん)「徳性を高めよ」
『・・・人間が人間であるための本質的要素は「徳性」である。このことは二千数百年の昔、孔子の時代から言われていることである。そして、徳性の高い人ほど、万人からの信頼を得、禍も少なく、必然的に福にも恵まれるのである。・・・』
脩身2巻 経学(けいがく)「友情について」(出典:論語)
『子(し)貢(こう)友(とも)を問う。孔子曰く、忠告して、之(これ)を善導(ぜんどう)す。不可なれば則(すなわ)ち止(や)む。自らは辱(はずか)しむること毋(な)かれ、と。』
(通釈:子(し)貢(こう)が友人との交わり方について孔子に尋ねた。孔子は次のように答えた。
''友人に過(あやま)ちがあれば、真心をこめて諌(いさ)め導くようにしなさい。しかし、どうしても聞き入れられないときは、やめるがよい。しつこく忠告して、逆に反発されてこちらの面目までつぶされぬようにしなさい。''
脩身3巻 経学(けいがく) 「人の人たる所以(ゆえん)は礼儀なり」(出典:礼記(らいき))
『冠(かん)義(ぎ)に曰(いわ)く、凡(およ)そ人の人たる所以(ゆえん)の者(もの)は、礼義なり。礼義の始めは、容体(ようたい)を正しくし、顔色(がんしょく)を斉(ととの)え、 辞令(じれい)を順(じゅん)にするに在(あ)り。容体正しく、顔色斉い、辞令順にして、而(しか)る後に礼義備わり、以って君臣(くんしん)を正し、父子(ふし)を親しませ、長幼(ちょうよう)を和(わ)す。君臣正しく、父子親しみ、長幼和して、而る後に礼義立つ。』
(通釈:【礼記】冠義篇につぎのようにある。 ''およそ人が人であるためには、礼義をわきまえ、実行しなければならない。その礼の実行は、まず姿かたちを正しくし、顔色をととのえ、言葉づかいを順当にすることから始まる。容貌や言葉づかいについて、この基本ができて初めて礼義は実行可能となる。これを基に君臣の関係を正しくし、父子の間柄を親密に、年長者と年少者と仲良くさせるのである。こうして、君臣、父子、長幼の関係がそれぞれ正しく順当なものになれば、それで礼義は完成されることになる。''
脩身6巻 経学(けいがく)「人とのつき合い方」(出典:礼記(らいき))
『門を出でては大賓(たいひん)を見るが如くし、民を使うには大祭を承(う)るが如くす。己(おのれ)の欲せざる所は、人に施(ほどこ)すこと勿(なか)れ。』
(通釈:門の外に出て外部の人と交わるには、大切な客と合うときのように敬(うや)みをもち、人民を使うには大事な祭祀につかえまつるときのように気をつける。自分にしてもらいたくないようなことは、人にもそれをしてはならない。
他にも史学では「世界に誇れる江戸時代」(徳川恒孝)、「昭和史に何を学ぶか」(保坂正康)などを取り上げています。